Thunderbolt 4搭載ノート「HP EliteBook 630 G11」と4K120Hz対応モニター「Dell S2725QC-A」を実際に接続して検証しました。
本記事では、120Hz出力の条件、スリープ時の給電仕様、NOVOO 12-in-1ハブとの相性、そして電源ループの安全性まで、実体験ベースで詳しく紹介します。
筆者についてはこちらをご覧ください。
- HP EliteBook 630 G11とDell S2725QC-Aの接続構成|Thunderbolt 4と4K120Hz環境の実例
- USB-C給電ループは起きる?|Thunderbolt接続の安全性を検証
- Dell S2725QC-Aで4K120Hzを出す方法|実機で検証した条件と接続手順
- Dellモニターのスリープ給電問題|スリープ時に充電が止まる理由と対策
- 安定&安全なUSB-C構成|Thunderbolt 4とNOVOOハブの最適な接続例
- NOVOO 12-in-1 Hubの4K出力限界|30Hzの理由とFHD時の動作
- USB-C接続をマグネット化|ケーブル“干渉ゼロ”+“ワンタッチ脱着” Thunderbolt 4で4K120Hz出力も安定化
- まとめ|Thunderbolt 4で4K120Hz出力を安定させるポイント
HP EliteBook 630 G11とDell S2725QC-Aの接続構成|Thunderbolt 4と4K120Hz環境の実例
実際に使用している構成は以下の通りです。
- HP EliteBook 630 G11(Thunderbolt 4 ×2)
- Dell S2725QC-A(4K120Hz対応)
- Dell U2412M(1920×1200)
- NOVOO 12-in-1 Hub(PD100W入力/最大65W出力)
メインモニター(S2725QC-A)はThunderbolt直結。
サブモニター(U2412M)はNOVOOハブ経由で接続しています。
接続図としては以下のようなイメージです。

Thunderbolt 4接続でも安定動作したNOVOO 12-in-1ハブの詳細レビューは、こちらの記事で紹介しています。
USB-C給電ループは起きる?|Thunderbolt接続の安全性を検証
Thunderbolt 4とUSB-C給電を併用すると「電源がループして壊れるのでは?」と心配になる方も多いでしょう。ここでは、実際の構成で安全性を検証した結果をまとめます。
懸念点と検証
当初、DellモニターとNOVOOハブの両方から給電が可能な構成のため、「電源ループが起きて壊れないか?」という懸念がありました。
結論としては、問題なし(ループは発生しません)。
理由はどちらのデバイスも「PD一方向通信(出力専用)」のためです。
給電の方向はPDネゴシエーションで決定され、MOSFETスイッチによって逆流が物理的に遮断されます。したがって、NOVOO→PC、Dell→PCの両給電を同時接続しても安全です。
Dell S2725QC-Aで4K120Hzを出す方法|実機で検証した条件と接続手順
4K120Hzの出力は、ケーブルやポート仕様の組み合わせ次第で大きく結果が変わります。この章では、実際に安定動作した条件を具体的に解説します。
構成と接続方法
HP EliteBook 630 G11(Thunderbolt 4対応)を、Dell S2725QC-AにUSB-Cケーブル1本で接続しています。
モニターに付属していたUSB-Cケーブルを利用し、NOVOO 12-in-1 Hubは経由していません。
結果、4K解像度で120Hz表示が安定動作しています。
120Hzが出る条件
120Hzで動作するには、次の条件をすべて満たす必要があります。
- ケーブル:Thunderbolt 4/DisplayPort 1.4対応のUSB-Cフル機能ケーブル
- ポート:PC側がDP Alt Mode(DisplayPort 1.4)に対応していること
- モニター:Dell S2725QC-AのUSB-CまたはHDMI 2.1入力を使用
- 設定:Windowsのディスプレイ設定で「120Hz」を明示的に選択
この環境ではすべてクリアしているため、4K 120Hzが出力できています。
NOVOO 12-in-1 Hubとの併用
NOVOOハブを経由すると、出力が4K@30Hzまでに制限されます。
理由はHDMI 1.4帯域しかないためです。
そのため、メインモニター(Dell S2725QC-A)はThunderbolt直結、サブモニター(U2412Mなど)をHDMIやハブ経由にする構成となります。
Dellモニターのスリープ給電問題|スリープ時に充電が止まる理由と対策
夜間にデバイスを接続したまま寝たのに、朝になっても充電が完了していない——そんな現象の原因はDellモニター特有の省電力仕様にあります。
Dellはスリープで給電を停止する
Dell S2725QC-Aはスリープ時、USB-C給電が停止します。
これはErP(省電力指令)準拠の設計で、夜間にタブレットなどを接続しても満充電にならないことがあります。
ハブ経由ならスリープ中も給電可能
NOVOOハブのUSB-Aポート経由であれば、スリープ中でもイヤホンやスマホの充電が継続されます。スリープ給電を維持したい場合は、DellではなくハブのUSBポートを利用するのが確実です。
スポンサーリンク
安定&安全なUSB-C構成|Thunderbolt 4とNOVOOハブの最適な接続例
安定した給電と高速データ転送を両立するには、Thunderbolt直結とハブ併用のバランスが重要です。ここでは筆者が最終的に落ち着いた構成を紹介します。
最終的な接続構成
- NOVOOを主給電に、Dellを映像専用に使用
- U2412Mをサブモニター+カードリーダー用に変更
- イヤホン充電はNOVOOのUSB-Aへ(常時給電)
- すべてマグネット式Thunderbolt 4ケーブルで脱着も快適
電源は安定し、スリープ時も充電が止まらない理想的な構成です。

NOVOO 12-in-1 Hubの4K出力限界|30Hzの理由とFHD時の動作
NOVOOハブを経由すると4K出力時にリフレッシュレートが低下することがあります。その原因を仕様面から説明します。
NOVOO 12-in-1 HubはHDMI 1.4仕様のため、4K出力は最大30Hzまでとなります。高リフレッシュレートを求める場合は、Thunderbolt直結が唯一の正解です。
一方、FHDや1920×1200(FHD+)では60Hzで安定動作しています。
将来的に4Kモニターをもう1台追加する場合は、Thunderbolt 4ドックの導入も検討すると良いでしょう。
USB-C接続をマグネット化|ケーブル“干渉ゼロ”+“ワンタッチ脱着” Thunderbolt 4で4K120Hz出力も安定化
HP EliteBook 630 G11とDell S2725QC-Aを4K120Hzで安定運用するには、ケーブルの干渉回避と信号品質の確保が重要です。
ここでは、USB-Cをマグネット接続化することで抜き差しの手間を解消しつつ、Thunderbolt 4の帯域をフル活用する構成例を紹介します。
マグネット式&L字アダプタでケーブルの“干渉ゼロ”+“ワンタッチ脱着”
HP EliteBookはType-C端子が近接しており、ケーブルが干渉しがちです。
そこで L字アダプタ+マグネット式 を組み合わせ、抜き差しの手間と端子の摩耗を同時に解決しました。
どちらの構成でも Dell S2725QC-A 4K120Hz の動作を確認済みです。

使用中の実機構成
- 左ポート(電源用)
MSL FORCE Type-C to Type-C マグネット式 変換アダプタ L字 Aタイプ
240W PD/USB3.2 Gen2/8K60Hz/40Gbps
→ AタイプはL字の向きが「左寄り」。ケーブルが手前に出ないので電源用に最適。 - 右ポート(映像用 = 4K120Hzライン)
1) MSL FORCE Type-C to Type-C マグネット式 変換アダプタ L字 Cタイプ(240W PD/USB3.2 Gen2/8K60Hz/40Gbps)
2) MOGOOD Type-C L字アダプタ(40Gbps/8K60Hz 対応)
右側はレイアウトに合わせて「MOGOOD(非マグネット)」または「MSL Cタイプ(マグネット)」で運用。CタイプはL字の向きが「右寄り」。
※MSLの A/Cタイプは“L字の向き”の違い です。ノートの端子位置に合わせて選ぶと、ケーブルの干渉が起きにくく配線がきれいに収まります。
まとめ|Thunderbolt 4で4K120Hz出力を安定させるポイント
実際の接続検証を通して見えてきた、4K120Hz環境を安定動作させるための要点を整理します。
- 4K120Hzを安定動作させるならThunderbolt直結が最適
- Dellの給電停止は仕様なので、ハブで補う
- PDループは起きないため安全
- 夜間の充電や接続脱着も快適
この構成で、「安全・安定・快適」なUSB-C環境が完成しました。120Hz出力も確認済みで、ビジネス用途にも十分対応できます。
スポンサーリンク
筆者プロフィール|PC・スマホ・周辺機器の実機検証が好き
当サイト「豊かに自由に」では、PC・スマホ・ディスプレイなどのレビューを、公式ドキュメントや実測検証に基づいてわかりやすく発信しています。
接続条件・ベンチマーク・再現手順を丁寧に確認し、正確で信頼性の高い情報を心がけています。
運営者情報はこちら