VB-CABLEとは?初心者向けに使い方と設定手順を解説
本記事では、PC上の音声を仮想的にルーティングできる「VB-CABLE(正式名称:VB-Audio Virtual Cable)」の仕組みと用途、インストール・設定方法について初心者向けにわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- VB-CABLEの基本的な仕組みと使い方
- インストール手順(画像つきで解説)
- OBS・Discord・録音ソフトとの連携方法
- よくあるトラブルの解決方法
- Voicemeeterなど他の仮想オーディオツールとの違い
VB-CABLEとは?
VB-CABLEは、仮想オーディオドライバの一種で、PC上の音声を仮想的にルーティングできるツールです。これにより、音声を録音したり、配信ソフトと連携させたりすることが可能です。
例えば、ゲーム音声を別のソフトに出力したり、特定のアプリの音声だけを録音したりといった用途で活用されます。また、Voicemeeterといった別の仮想オーディオミキサーとの違いについても気になる方が多いようですが、本記事ではVB-CABLEのインストール・設定方法を中心に解説します。
VB-CABLEの使い道・用途まとめ
VB‑CABLEは、単にPC上の音声をルーティングするだけでなく、多彩な用途に活用できます。
- ゲーム配信・OBS連携:ゲーム音声とマイク音声を分離し、ミキサーソフト等で個別調整が可能
- 録音・編集用途:YouTubeやSpotifyなどアプリ単位で音声をキャプチャし、Audacityなどで編集できる
- DiscordやZoom通話への音声出力:BGMや効果音を通話相手に共有できる
- 仮想ミキサー的活用:複数アプリの音声を一つにまとめ、OBSや配信ソフトへ一括出力(次節でも補足)
- ラジオ配信などのブロードキャスト用途:VACと組み合わせて、複数音源のオンエアやリアルタイム放送に対応
仮想ミキサー(Virtual Mixer)との違い
「仮想ミキサー」とは、複数音声ソースをミックスし、音量調整・エフェクト追加などができるソフトウェアの総称です。
- VB‑CABLE:
- シンプルな「1本の仮想ケーブル」で音声をそのままループバック
- 設定不要で低レイテンシ&高信頼性
- 仮想ミキサー(例:VoicemeeterやVAC+Mixer):
- 複数の入力をまとめて音量調整・エフェクト加工が可能
- チャンネルごとのEQやリバーブ、パンなども操作可
つまり、シンプルな音声ルーティングならVB‑CABLEが最適となります。
しかし、複数音源をまとめて調整したい場合や効果をかけたい場合は、仮想ミキサーを使うほうが適しています。
初心者の方は、まずはシンプルに使えるVB-CABLEから試してみるのがおすすめです。設定も簡単で、仮想オーディオルーティングの基本を手軽に体験できます。
VB-CABLEのダウンロードとインストール方法【初心者向け・OBS/録音対応】
ここでは、筆者が実際にインストールした手順を紹介します。スクリーンショットも交えながら、わかりやすく解説していきます。
1. VB-CABLEの公式サイトにアクセス
VB-CABLEの公式サイトにアクセスします。
2. ダウンロードページからファイルを取得
ページをスクロールすると、Windows用とMac用のダウンロードリンクがあります。ご自身の環境に合ったバージョンを選んでダウンロードします。

ファイルがダウンロードされていることを確認します。

3. ZIPファイルを展開し、セットアップを実行
ダウンロードしたZIPファイルを右クリックし、「すべて展開」をクリックします。

「展開先の選択とファイルの展開」画面で「展開」をクリックします。

「VBCABLE_Setup64.exe」を右クリックします。(32ビット版OSの場合は、「VBCABLE_Setup.exe」)

「管理者として実行」をクリックします。

「Install Driver」をクリックします。

「ユーザー アカウント制御」画面が表示された場合は、「はい」をクリックします。インストールが完了するのを待ちます。少し時間がかかることがあります。

インストールが完了すると、PCの再起動を促すメッセージが表示されますので、「OK」をクリックします。

4. インストールが完了したら、PCを再起動します。
インストールが完了したら、PCを再起動すると、VB-CABLEが正しく動作します。
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VB-CABLEの基本的な使い方(ゲーム・配信・録音)
VB-CABLEを導入した後、どのように活用できるのかを解説します。 設定方法と活用事例を理解することで、ゲーム実況・配信・録音など、目的に応じた使い方ができます。
1. 配信での活用(OBSとの連携)
ゲーム配信でのVB-CABLE音声設定手順(OBS使用例つき)
ゲーム配信では、視聴者にマイク音声やPC内の音(BGM・効果音など)を正しく届ける音声設定が欠かせません。ここでは、OBSを使ってVB-CABLEで音声を分離・管理する方法を具体的に解説します。
VB-CABLEを使うことで、ゲーム音声とマイク音声を分けて管理することが可能です。 以下の手順でOBSにVB-CABLEを設定します。
以下の手順に従って、VB-CABLEをOBSに設定してします。
- OBSを開きます。
- 設定 > 音声 を開きます。
- デスクトップ音声デバイスに「CABLE Input」を設定します。
- マイク/補助音声デバイスに「CABLE Output」を設定します。
- 音声ミキサーで音量を調整します。
2. 録音ソフトとの連携
Audacityなどの録音ソフトで、特定のアプリの音だけを録音することができます。
- 録音ソフトを起動します。
- 入力デバイスを「CABLE Output」に設定します。
- 録音をクリックして、特定の音声をキャプチャします。
3. Discordでの音声ルーティング
- BGMをボイスチャットに流す
- 「入力デバイス」に「CABLE Output」を選択します。
- BGMプレイヤーを起動し、音楽を再生します。
- Discord上で他のユーザーにBGMを共有できます。
- 「入力デバイス」に「CABLE Output」を選択します。
VB‑CABLEはMacでも使える?
VB-CABLEは、Mac(macOS)でも利用可能です。
Mac版VB-CABLEも公式提供あり
VB-Audio公式サイトでは、macOS向けの「VB-CABLE MAC」が配布されており、USB設定や専用ドライバも不要で、比較的簡単に導入可能です。
公式サイト:VB-Audio Software
一部の環境では設定に注意が必要
一方で、Redditや公式フォーラムでは以下のような指摘も見られます。
- Audacityとの相性がよくない:設定によって録音されず「フラットライン」になるケースが報告されています。
- 設定がわかりにくい/音が出ないことがある:チャンネル構成や設定ミスで音声がルーティングされない例が見られます。
- macOS Sonomaなど最新OSでの動作が不安定:Sonoma環境で音声が送信されなくなったとの投稿もあり注意が必要です。
※操作に慣れていない場合は、公式フォーラムや導入ガイドを併用しながらの設定をおすすめします。
Macユーザー向けの代替ツールも検討
より安定した仮想オーディオ環境を求める場合、以下の代替ツールもおすすめです。
- BlackHole(無料・オープンソース)
OBS・Zoomとの相性も良く、低レイテンシ&多チャンネル対応。 - Loopback(有料) by Rogue Amoeba
直感的なUIで、複雑な音声ルーティングも視覚的に操作可能です。
公式サイトやレビューでは「プロ向けの配信環境にも活用されている」と紹介されています。
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VB-CABLEを削除・アンインストールするには?
PCからVB-CABLEを削除したい場合、Windows・Macともに公式ツールを使った手順が推奨されます。このセクションでは、誤動作を防ぎつつ安全にアンインストールする方法をまとめました。
VB-CABLEのアンインストール方法
VB-CABLEを削除したい場合は、VB-Audio公式が提供する「uninstaller」ツールを使うのが安全で確実です。
- VB-Audio公式サイト(Downloadsページ) にアクセス
- 下部の「Uninstall」欄から、OSに対応したアンインストーラー(例:
VBCABLE_Uninst.exe
)をダウンロード - アンインストーラーを右クリック → 管理者として実行
- 指示に従ってアンインストールを完了させ、PCを再起動
⚠ 通常の「アプリと機能」からの削除では、仮想ドライバが残ることがあります。
必ず公式提供のアンインストーラーを使用しましょう。
再起動しても残るときは?
まれに、アンインストール後も「VB-Audio Cable」がデバイスとして残っているように見える場合があります。
このときは以下の操作を試してください。
- Windowsの「デバイスマネージャー」を開く
- 表示メニューから「非表示のデバイスの表示」を有効化
- 「サウンド、ビデオ、およびゲーム コントローラー」内に残っていないか確認
- 残っている場合は右クリックして「削除」
💡それでも削除できない場合は、PCのセーフモードで再起動後に同じ手順を実行すると成功する場合があります。
よくあるトラブルと対策
VB-CABLEを使っていて「音が出ない」「録音できない」「設定が反映されない」といったトラブルに直面するケースも少なくありません。ここでは、よくある問題とその対処法などを解説します。
VB-CABLEの音が出ない・録音できない・反応しない場合の原因と対処法
VB-CABLEを使っても音が出ない、録音できない、デバイスが反応しない場合は、入力デバイスの設定ミスやマイクのアクセス許可、排他モードの影響が原因のことがあります。
- サウンド設定の確認
- Windowsの「設定」→「システム」→「サウンド」で「出力デバイス」が「CABLE Input」になっているか確認します。
- アプリ側の設定をチェック
- 使用している録音・配信ソフトで正しくVB-CABLEを選択しているか確認します。
- PCの再起動
- 設定が反映されない場合、一度PCを再起動してみます。
- ドライバの再インストール
- VB-CABLEを一度削除し、再インストールしてみます。
VB-CABLEの音ズレを解決する方法
- オーディオバッファサイズの調整
- 一部のソフトではバッファサイズを変更することで音ズレが改善する場合があります。
- CPU負荷の軽減
- 高負荷のアプリを同時に動かすと遅延が発生しやすいため、不要なプロセスを終了します。
- USBオーディオ機器との干渉チェック
- 外部オーディオインターフェースやUSB機器を接続している場合、それが影響を与えていないか確認します。
設定できない場合のチェックポイント
- 管理者権限で実行
- インストール時に「管理者として実行」しないと正常に設定が反映されない場合があります。
- デバイスマネージャーでの確認
- 「サウンド、ビデオ、およびゲーム コントローラー」に「VB-Audio Virtual Cable」が表示されているか確認します。
- Windowsのサウンド設定をリセット
- 「サウンド設定をリセット」オプションを試して、デフォルト設定に戻します。
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VB-CABLEの代替ソフトはある?
VB-CABLEとVoicemeeterの違い
Voicemeeterは、VB-CABLEと同じく仮想オーディオミキサーですが、より高度な機能を備えています。
- 機能面の違い
- VB-CABLEはシンプルな仮想オーディオルーティングを目的としています。
- Voicemeeterはミキサー機能を備え、複数のオーディオソースを統合・調整可能です。
- Voicemeeterはエフェクトやイコライザー機能があり、より詳細な音声調整が可能です。
- 使い分けのポイント
- シンプルな音声ルーティングのみ必要 → VB-CABLEが適しています。
- 複数のオーディオソースをミックス・調整したい → Voicemeeterのほうが便利です。
その他の無料・有料ソフト紹介
以下のソフトもVB-CABLEの代替として利用可能です。
- Virtual Audio Cable(VAC)(有料)
- 複数の仮想オーディオラインを作成可能です。
- より高度なオーディオルーティングができますが、設定が複雑です。
- BlackHole(無料・Mac専用)
- Mac向けの仮想オーディオルーティングソフトです。
- ループバック機能があり、オーディオ録音や配信に最適です。
- Audio Hijack(有料・Mac専用)
- 録音機能が充実しており、特定のアプリの音声のみをキャプチャ可能です。
- Loopback(有料・Mac専用)
- シンプルなUIでオーディオルーティングが可能です。
- 直感的な設定ができるが、価格が比較的高めです。
これらのツールを用途に応じて使い分けることで、より快適なオーディオ環境を構築できます。
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まとめ|VB-CABLEを使うメリットと注意点
VB-CABLEは無料で使える?
VB-CABLEは基本的に無料で使用できます。公式サイトからダウンロードし、インストールするだけで、仮想オーディオドライバとしての機能を利用できます。
無料版と寄付版の違い
VB-CABLEには無料版と「寄付版(Donationware)」があります。
バージョン | 料金 | 特徴 |
---|---|---|
無料版 | 無料 | 仮想オーディオドライバ1系統のみ使用可能 |
寄付版 | €5(5ユーロ)以上の寄付 | 追加の仮想オーディオライン(VB-CABLE A+B)が利用可能 |
寄付版では、より多くの仮想オーディオラインを使用できるため、複数のアプリの音を個別に制御したい場合におすすめです。
商用利用は可能?
VB-CABLEの公式ライセンスによると、個人利用は無料ですが、商用利用の場合は適切なライセンスの購入が推奨されています。企業やプロフェッショナルな用途で使用する場合は、公式サイトでライセンスの詳細を確認してください。
インストールは簡単
- 公式サイトからダウンロードし、数ステップで簡単に導入可能です。
- 特別な設定をしなくても基本的な動作ができます。
設定次第で活用の幅が広がる
- ゲーム音声のルーティング、配信、録音など幅広い用途で活用できます。
- OBSやDiscordとの組み合わせで、より自由な音声管理が可能です。
トラブル対策のポイント
- 音が出ない、音ズレなどの問題が発生することがあるため、適切な設定が必要です。
- 公式サイトやフォーラムを活用して、問題解決の情報を得ることが推奨されます。
Voicemeeterや他の仮想オーディオツールとの比較も検討
- より高度なミキシングが必要ならVoicemeeterが適しています。
- MacユーザーにはBlackHoleやLoopbackも選択肢となります。
シンプルな構成が必要な場合には最適なツール
- 高度なオーディオ処理が不要な場合、VB-CABLEは軽量で手軽に使えます。
- シンプルな用途なら、余計な機能がないため扱いやすいです。
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