ドラム式洗濯機の乾燥時間はどれくらいかかる?
ドラム式洗濯機の乾燥時間は、機種や使用環境によって差はあるものの、一般的な目安としてはおおよそ100〜160分程度が標準です。
ただし、「乾燥方式」や「洗濯物の量」、「乾燥コースの設定」によって大きく前後するため、一概に何分が正解とは言えません。
「最近時間がかかるようになった…」「5時間以上も乾燥している…」と感じた場合は、単なるスペックの問題ではなく、フィルターの目詰まりや環境要因が関係している可能性もあります。
まずは、乾燥方式と洗濯容量ごとの「目安時間」から見ていきましょう。
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▶ ドラム式洗濯機の選び方|乾燥方式や電気代の違いを徹底比較
平均的な乾燥時間の目安(ヒーター式・ヒートポンプ式)
ドラム式洗濯機の乾燥方式は大きく分けて「ヒーター式」と「ヒートポンプ式」があり、それぞれ乾燥時間に特徴があります。
方式 | 特徴 | 乾燥時間の目安 (6kg程度) |
---|---|---|
ヒーター式 | 高温で一気に乾かすため比較的速いが電力消費が大きい | 約100〜130分 |
ヒートポンプ式 | 低温で衣類に優しく、省エネだが乾燥にやや時間がかかる | 約130〜160分 |
たとえば、パナソニックのヒートポンプ式モデル(NA-LX129AL)では「はやふわ乾燥」コースで約98分程度という高速仕上げも可能ですが、これは衣類の量や設定によって変動します。
一方、ヒーター式は短時間で終わるものの、高温での運転が多くシワや縮みが気になる場合もあります。
乾燥容量ごとの乾燥時間の目安
乾燥時間は「乾燥容量(kg)」によっても大きく変わります。
特に最大容量で運転する場合、風の通りが悪くなり乾燥効率が下がるため、時間が延びる傾向にあります。
以下はヒートポンプ式を基準とした、おおよその乾燥時間の目安です。
衣類の量(乾燥容量) | 所要時間の目安 |
---|---|
3kg(軽めの洗濯物) | 約60〜90分程度 |
6kg(標準コース) | 約120〜150分程度 |
8kg以上(最大量) | 約150〜180分程度 |
ただしこれは「正常な環境・フィルター清掃済・適正な詰め方」での目安です。
「一度にたくさん乾かしたいから」と8kg以上を詰め込みすぎると、風が通らず乾燥ムラが発生し、結果的に乾燥時間が伸びてしまうこともあります。
縦型洗濯機との違いも確認
ドラム式と縦型の乾燥機能には、そもそもの設計思想の違いがあります。
縦型洗濯機は「おまけ程度の乾燥機能」と考えるべきで、ドラム式と比べると乾燥時間も性能も大きく異なります。
項目 | ドラム式 | 縦型 |
---|---|---|
乾燥方式 | ヒーター式 or ヒートポンプ式 | ヒーター式(簡易) |
乾燥能力 | 衣類の乾燥に特化 | しわ・水分軽減が主 |
乾燥時間(6kg) | 約120〜160分程度 | 約150〜200分程度以上+乾き残りあり |
仕上がり | しっかり乾く | 半乾き・湿りが残ることも |
実際に「縦型で乾燥させると生乾きになる」「時間がかかる割に乾かない」といった声も多く、本格的な乾燥を求める場合はドラム式一択です。
乾燥方式の違いで時間は変わる?
ドラム式洗濯機の乾燥方式には主に「ヒートポンプ式」と「ヒーター式」の2種類があり、乾燥時間や仕上がり、電気代に大きく影響します。
ここでは、それぞれの方式の特徴と乾燥時間の違いについて詳しく見ていきましょう。
ヒートポンプ式の特徴と乾燥時間の傾向
ヒートポンプ式は、空気の熱を効率よく循環させて低温乾燥を行う方式で、近年の高価格帯モデルの多くに採用されています。
- 乾燥温度が低く、衣類にやさしい
- 省エネ性能が高く、電気代を抑えられる
- ただし乾燥時間はやや長め(約130〜160分程度)
たとえば、パナソニックのNA-LX129ALはヒートポンプ式ながら、独自の「はやふわ乾燥」機能により6kgの洗濯物を約98分で乾かすことも可能です。
ただしこれは理想条件下での時間であり、日常的には120分前後を見込んでおくとよいでしょう。
ヒーター式は速い?電気代とのバランスも比較
ヒーター式は、高温の電熱ヒーターで一気に衣類を乾かす方式です。
乾燥時間が短く「とにかく早く終わらせたい」というニーズには向いていますが、次のような特徴があります。
- 高温乾燥で乾きは早い(約100〜130分程度)
- 電気代はヒートポンプよりも高くなりやすい
- 衣類に負担がかかりやすく、しわ・縮みのリスクあり
アイリスオーヤマの一部モデルはヒーター式でも短時間乾燥を実現しており、価格を抑えつつ乾燥重視のユーザーには人気です。
ただし、「省エネ重視」や「長時間使う想定」の方には、ヒートポンプ式の方がトータルでは優位になるケースが多いです。
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主要メーカーのモデル別 乾燥時間比較
ドラム式洗濯機は、メーカーごとに乾燥方式や制御アルゴリズムに違いがあり、乾燥時間にもばらつきがあります。
ここでは、国内主要メーカーの2023〜2025年モデルを中心に、乾燥時間の公称値や特長を比較していきます。
パナソニック(はやふわ乾燥)
パナソニックは、ヒートポンプ式の乾燥機能に強みがあり、「はやふわ乾燥」など独自技術で速乾性能を高めています。
- NA-LX129AL:はやふわ乾燥(標準6kg)→ 約98分
- NA-LX125CL:通常乾燥(6kg)→ 約120〜135分
口コミでも「思ったより早く乾いた」「ふわっと仕上がる」と好評で、時短と省エネのバランスに優れたブランドと言えます。
日立(ビッグドラム)
日立の「ビッグドラム」シリーズは、風アイロンによるしわ抑制が特徴。乾燥時間はやや長めの傾向があります。
- BD-STX120H:標準乾燥(6kg)→ 約160分程度
- BD-SX120HL:スピード乾燥(少量)→ 約90分程度
「音が静か」「衣類にやさしい」という評価が多く、夜間使用やファミリー層に支持されています。
シャープ(ハイブリッド乾燥NEXT)
シャープは、ヒーターとヒートポンプのハイブリッド乾燥を採用し、時短と仕上がりのバランスを追求しています。
- ES-X11A:ハイブリッド乾燥(6kg)→ 約115〜125分程度
- ES-H10E:標準乾燥(6kg)→ 約140分程度
特に「ハイブリッド乾燥NEXT」では、プラズマクラスターとの組み合わせで除菌効果も兼ねた時短乾燥が特徴です。
東芝・アイリスオーヤマほか
【東芝】
- ZABOON TW-127XP1:標準乾燥(6kg)→ 約150分程度
- 「UV温風除菌」での仕上がり重視が特徴。
【アイリスオーヤマ】
- FLK832:ヒーター式乾燥(4kg)→ 約130分程度
- 価格帯は抑えめで、一人暮らし・セカンドマシン用途に人気。
他にもAQUA(アクア)や海外メーカーもありますが、乾燥時間の情報が限定的であることが多く、使用者レビューが重要となります。
ニトリ(大容量・低価格モデル)
ニトリでは、自社ブランド製品として大容量のドラム式洗濯機を比較的安価に展開しています。
製造は中国メーカー(Mideaなど)と提携しており、機能はシンプルながら「乾燥付き」でこの価格帯は魅力です。
- NTR81:洗濯8kg/乾燥6kgモデル
乾燥時間の目安(6kg)→ 約150〜180分程度(ヒーター式)
公式サイトでは明確な乾燥時間が記載されていないことが多く、ユーザーレビューでは「5kgで2.5時間〜3時間程度」「タオルが乾きにくいことがある」といった声も見られます。
価格優先・乾燥はサブ用途という使い方ならコスパは高いですが、頻繁に乾燥を使う家庭には不向きかもしれません。
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乾燥時間が長くなる原因と対策
「以前より乾燥に時間がかかるようになった」「5時間以上も回り続けている」と感じた場合、単に衣類の量が多いだけでなく、本体や使用環境に問題がある可能性があります。
ここでは、乾燥時間が長くなる主な原因と、それぞれの対処法について解説します。
フィルターの目詰まりや排気不良
乾燥時間が長くなる最も一般的な原因は、糸くずフィルターや排気経路の目詰まりです。
- 糸くずフィルター:毎回の掃除が必須
- 排水フィルター:月1回程度の清掃が推奨
- 排気口のホコリ:見落としがちな盲点
フィルターが詰まっていると、温風の流れが悪くなり乾燥効率が大幅に低下します。
掃除を怠ると「4時間以上乾燥してもまだ湿っている」という事態も起こります。
洗濯物の詰めすぎや偏り
洗濯物を最大容量ギリギリまで詰め込むと、内部の風通しが悪くなり乾燥ムラが発生します。
特にバスタオルや厚手の衣類を多く入れた場合は、時間が倍近くかかることもあります。
また、偏りがあるとドラムの回転がうまくいかず、「一部だけ濡れたまま」という状況になりがちです。
適正な量(表示の6〜7割程度)を守ることが、乾燥時間短縮の第一歩です。
部屋の湿度や設置環境の影響
ドラム式洗濯機は室内の湿度や換気状況の影響を受けやすい家電です。
- 窓がない/換気が悪い場所に設置している
- 冬場や梅雨時で湿気がこもっている
このような環境では乾いた空気を取り入れにくくなり、乾燥効率が落ちるため、時間が長引きます。
改善策としては、
- 換気扇をつける
- ドアを開けて風通しを確保する
などの対策が有効です。
「5時間以上かかる」場合に考えられること
乾燥に5時間・6時間かかる場合は、何かしらの異常が起きていると考えた方がよいです。
主な原因は以下の通り:
- フィルター清掃不良:まず確認すべきポイント
- センサーの故障:乾燥完了をうまく検知できない
- 排水トラブル:湿気が逃げずにこもっている
- 乾燥モードの選択ミス:ecoモードなどは長時間になりやすい
これらの対策でも改善しない場合は、メーカーへの点検依頼や修理を検討すべき段階です。
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乾燥時間を短縮するための工夫
ドラム式洗濯機の乾燥時間は、使い方を工夫することで意外と簡単に短縮することができます。
ここでは、家庭で今日からできる具体的な時短テクニックをご紹介します。
乾燥ボールや大判バスタオルの活用
市販の「ドライヤーボール(乾燥ボール)」は、ドラムの中で衣類をほぐしながら回転し、空気の通りをよくすることで乾燥時間を短縮してくれます。
また、大判バスタオルを1枚加えることで、衣類の水分を吸収してくれるため、全体の乾きが早まるという裏技も。
- 🟢 乾燥ボール:5〜10分程度の短縮効果が期待できる
- 🟢 バスタオル法:特にTシャツや小物の乾燥に有効
両者を組み合わせることで、エコにも時短にもなる便利な方法です。
時短コース・モードの活用方法
多くのドラム式洗濯機には「スピード乾燥」「少量乾燥」といった時短専用コースが用意されています。
- 少量の洗濯物なら「スピード乾燥コース」で60〜90分程度に短縮可能
- ワイシャツ・下着など素材に応じてモードを変えるのがポイント
ただし、時短コースは「完全乾燥」でないこともあるため、仕上がりの確認と用途の使い分けが重要です。
実用容量と適正量を守るコツ
乾燥容量が「6kg」と表示されていても、実際には4〜5kg程度に抑えるのが理想とされています。
- 詰めすぎ → 風が通らず乾燥ムラの原因
- 適正量 → ドラムの回転がスムーズで乾燥効率UP
「一度に済ませたい」と思って詰め込みすぎると、結果的に乾燥時間が延びて逆効果になることも。
“見た目の量”ではなく、乾きやすさを意識した分量管理がポイントです。
乾燥時間と電気代の関係とは?
乾燥にかかる時間が長くなるほど、当然ながら電気代もかさみます。
「省エネ重視」と「速さ重視」のバランスは、乾燥方式や運転コースの選び方で大きく変わるポイントです。
ここでは、乾燥時間と電気代の関係について詳しく見ていきます。
ヒートポンプは時間がかかるが安い?
ヒートポンプ式は低温でじっくり乾かすため時間は長めですが、そのぶん消費電力は少なく、電気代が安い傾向があります。
比較項目 | ヒートポンプ式 | ヒーター式 |
---|---|---|
乾燥時間 | 約130〜160分程度 | 約100〜130分程度 |
消費電力量 | 約700〜900Wh | 約1,000〜1,400Wh |
電気代の目安(1回) | 約20〜25円 | 約30〜45円 |
※参考値:1kWhあたり27円で計算
家庭で毎日乾燥を使う場合は、年間1万円以上の差になることもあるため、長期的にはヒートポンプ式が経済的といえます。
電気代を抑えるための選び方と工夫
乾燥時間を短くするだけでなく、使い方を工夫することでも電気代を削減できます。
- なるべく自然乾燥と併用する(部屋干し後の仕上げ乾燥など)
- 夜間の割安時間帯に使う(電力プランによる)
- 脱水を強めに設定してから乾燥を開始する
また、機種選びの際には「省エネ基準達成率」や「年間消費電力量(kWh)」を確認することで、購入時からコスト意識を持った選定が可能です。
乾燥時間だけでなく、電気代や設置環境も含めた総合的な選び方については、こちらの記事 で詳しく解説しています。
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まとめ|「普通の乾燥時間」は意外と幅がある
ドラム式洗濯機の乾燥時間は、「100分程度なら短い」「160分程度なら長い」といった単純な基準では判断できません。
乾燥方式(ヒーター式/ヒートポンプ式)、洗濯物の量、フィルターの状態、設置環境など、さまざまな要因が複雑に絡み合って決まります。
乾燥時間が長く感じられる場合は、まずはフィルターや排気経路の掃除、容量の見直し、モードの選び方をチェックしてみてください。
それでも解決しないときは、機器の劣化やセンサー異常などの可能性もあるため、修理や買い替えも検討する価値があります。
乾燥時間を正しく理解し、状況に応じた使い方をすることで、時間も電気代も節約しながら、快適な洗濯生活を送ることができます。
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